白山神社(はくさんじんじゃ)
概要
御祭神 | 菊理姫神・白山比咩神 |
御神格 | 白山の神・農業神・出産神・育児神 |
御神徳 | 五穀豊穣・牛馬安全・縁結び |
由緒 | 中世以降加賀の白山妙理権現の祭神であるとされるようになり、白山比咩神と同体とする説が一般化する。菊理姫神はその本源として山の神の神格を持ち、山は水源であり、その水は水田を潤し穀物を実らせることから農業の守護神とされる。 |
龍神伝説
白山は加賀・越前・美濃国境に位置する御前峰・大汝峰・別山の総称。養老元年(717)に越前や加賀の窟で修行していた越前の僧泰澄は、あるとき女神の示現に会い「私は白山妙理権現である。私の真の姿が見たければ白山山頂に来たれ」と告げられた。女神に導かれ、ついに人跡未踏の山頂に到達すると、山頂近くの「転法輪の岩屋」で祈られると、翠ヶ池から火を吐きながら九頭龍があらわれた。その姿に満足できなかった泰澄がさらに祈ると、龍はその身を女神の本地である十一面観音に変じ、神々しい姿であらわれた。
白山は古来、里に水をもたらす水源の場であり、祖霊が鎮まる場だった。そこに君臨した神は水の霊力を司る龍神であり、黄泉国の主宰神である女神だった。
※九頭龍‐一つの身体に九つの頭を持つ龍神。雨乞いや止雨などの霊験あらたかとされる。そもそも龍はインド神話では蛇を神格化したもので、雲雨を支配する霊力をもつという。